この度、初めての海外研修という事で、不安と期待が入り混じる中、参加させていただきました。
医療制度の違うアメリカで、薬剤師がどのように活動し、地位を確立しているのかという関心は以前よりありました。実際に、研修を通して職能の広さと薬剤師への信頼感は素晴らしいものがあると感じました。合衆国では、保険制度の違いから疾病の予防にとても関心が高く、サプリメント等を通じて、薬局への信頼やニーズが多様にあることに気づかされました。
例えば、インフルエンザワクチンの投与ですが、日本では出来ませんが、合衆国では薬局で行うのが一般化しており、薬剤師業務の根幹の一部になっておりました。合衆国では、テクニシャン制度がある為、薬剤師の主な業務は、監査・服薬指導が中心でした。日本では、調剤業務全般を薬剤師が行っているため、監査・服薬指導に十分に時間を取れていないように思います。調剤での技術料が少ないことも一因かと思われますが、コンサルティング業務が進みつつあり、薬局に相談に来る方にケアプランを提示し、対価を受け取る仕組みがありました。大学教育の中でもCDMTに関した、患者マネジメント力を身に付ける授業が行われております。日本においても、まさしくこの患者マネジメント業務が、今後の薬剤師業務の根幹になる日が近いのではないか、と予感しました。
顧客との薬物共同管理により、薬剤師としての職能向上・信頼感構築に大変意義があるものと思われます。調剤偏重から、町の親しみやすく、気軽に相談できる所として、社会に貢献できることは、素晴らしい職能であると改めて感じました。
今回、日本を出て海外の実情を知った上で、日本の医療界を見たときに、日本の保険制度は素晴らしいものであると感じました。内から外を見るだけではなく、外から内を見ることの大切さも改めて認識でき、知識と共に内面の成長にも大いに役立ち、今後の大きな糧になりました。
これから、薬剤師としての自覚と責任を再認識し、医療人として日々向上していきたいと決意を新たにしました。
最後になりましたが、この様な機会をくださった株式会社アルファーム、日々の業務をフォローして頂いた薬局スタッフ、ツアーを企画運営して頂きました、日本保険薬局協会の皆様へ感謝を申し上げます。
(茨城営業部 二課 細谷 義長)